上層を水、下層を土と仮定した二層流を基礎式とした地滑り・津波統合モデル(柳澤ら、2014)で、地滑りとそれに伴う津波のシミュレーションを実施します。このモデルを使うことで、海や湖に地滑りが突入する際に発生する津波の大きさや浸水範囲、また地滑りの到達範囲や移動速度など、水と土に関する動きを同時に評価することができます。またパラメータを変えることで、土石流による津波を表現する今村ら(2001)や渡島大島津波を再現できるIoki et al.,(2018)のモデルにすることもできます。
以下に、1792年に発生した雲仙岳眉山の崩壊による津波のシミュレーション動画を載せました(柳澤ら、2014)。この津波では、約15,000の方が犠牲となりました。島原(長崎県)で山体崩壊が発生し、その対岸の肥後(熊本県)で津波による大きな被害がでたことから、「眉山大変肥後迷惑」という言葉が作られ、その災害の教訓が現代にも伝えられています。 |